尾根道や登山道を長い距離歩き続けるロングトレイルに憧れます。
ロバート・レッドフォード主演の映画「ロングトレイル!」では、中高年の男2人が全長3,500km!のアパラチアン・トレイル踏破に挑むロマンが描かれています。
さすがにここまでの長く過酷な道は無理だけど、近場でほどよいコースはないものでしょうか。
目の前にありました。最高にほどよいトレイルが。
それが「ダイヤモンドトレール」です。
距離、高さ、難易度、どれをとっても「ちょうどいい」ダイヤモンドトレールがおすすめ
ダイヤモンドトレールは、大阪最高峰「金剛山」を中心とした全長45kmの関西を代表するトレッキングコースです。
キャンプ場や宿泊施設を使った2泊3日の行程が一般的です。
金剛山は標高1125mで、トレイルの距離が45kmであれば、危険も少なく、ほどよい冒険を味わうことができるのではないでしょうか。
逆にこれ以上高い山だと、本格的な登山になってしまい、滑落や遭難といった危険が生じます。
トレイルする山の高さは1,000m前後が限界点、と心がけましょう。
また距離が長くなり、3泊以上の行程となると、天候が読めなくなり、装備も大きく、重くなります。
装備の重さはロングトレイルにとっては致命的です。
ロングトレイルの楽しさは装備の重さに反比例します。
装備は軽ければ軽いに越したことはありません。
最高峰1125m、全長45km、行程2泊3日・・・これほどちょうどいいトレイルはなかなかありません。
ダイヤモンドトレールとはどのようなコースなのか?
スタート地点は奈良県香芝市にある「屯鶴峯(どんづるぼう)」で、そこから二上山、大和葛城山、金剛山、岩湧山、槇尾山と5つの山を越え、大阪府和泉市の施福寺がゴール、というコースです。
大和葛城山か、金剛山の山頂にあるキャンプ場または宿泊施設でテント泊をし、紀見峠にある「紀伊見山荘」で1泊する2泊3日コースが一般的な行程です。(あるいはこの逆)
ダイヤモンドトレールの見どころ
ダイヤモンドトレールを構成する5つの山
モンベルで売っているダイヤモンドトレールTシャツで説明します。
スタート地点の屯鶴峯(どんづるぼう)から最初に登る山は二上山です。
その名の通り、雄岳、雌岳の2つのピークを持つ小ぶりな山で、休日はたくさんのハイカーや犬の散歩の人たちで混み合う人気の山です。
二上山を下り、竹内峠を越えると大和葛城山の登りに入ります。
大和葛城山は山頂の見晴らしが最高で、大阪も奈良も見渡せます。
山頂にはキャンプ場やレストランもあり、春はツツジ、秋はススキが名物で、個人的にはダイヤモンドトレールの中でも最も好きな山です。
大和葛城山から水越峠を越えると大阪府最高峰の金剛山です。
金剛山の名前から、金剛石(ダイヤモンド)がダイヤモンドトレールの由来になっています。
山頂には葛城神社と食堂があり、キャンプ場もあります。
そこから岩湧山、槇尾山と気持ちの良いトレッキングコースになっています。
ダイヤモンドトレールの2つのキャンプ場の魅力
ダイヤモンドトレールにあるキャンプ場は2つ。大和葛城山頂と金剛山頂にあります。
屯鶴峯からのダイトレの場合、1泊目はこの内どちらかのキャンプ場でテント泊になります。
①かつらぎ高原キャンプ場(大和葛城山 山頂)
「かつらぎ高原ロッジ」というレストラン兼宿泊施設があり、ここがキャンプの受付を行っています。
キャンプサイトはデッキが4面あり、見晴らしは最高です。
入場料300円、テント1張り500円という安さです。
②ちはや園地キャンプ場(金剛山 山頂付近)
キャンプサイトは森の中で、山頂にあるので人も少なく、完ソロ気分が味わえます。
ひとりが不安だったり、怖かったりする人にはおすすめしません。
数カ所に炊事場やBBQ釜が設置されていて便利です。
キャンプサイトでは火の使用は禁止です。炊事場や釜場で煮たり焼いたりします。
大阪で最も標高の高いキャンプ場なので、メスティンでお米を炊くときは水を多めにしないと硬くなります。
コロナ前は麓から直通のロープウエイがあったので、週末は人がたくさんいましたが、そのロープウエイが休止している今はほとんど人がいません。
それだけに静かに自然に囲まれるソロキャンプの醍醐味を味わえます。
ちはや園地は広大な敷地にバンガローや常設テントなど設備も充実したおすすめのキャンプ場です。
ダイヤモンドトレールの2泊3日モデルコース
DAY1|屯鶴峯→二上山→大和葛城山
初日はあまり無理をせず、大和葛城山のかつらぎ高原キャンプ場で一泊します。
初日で疲れ切ってしまわないよう、かつらぎ高原ロッジでエネルギー補給します。
DAY2|水越峠→金剛山→紀見峠
2日目は最高峰の金剛山を目指します。
紀見峠の宿泊施設「紀伊見荘」で温泉につかり、旅の疲れをリフレッシュします。
DAY3|岩湧山→槇尾山
見晴らしの良い尾根を歩き続け、ゴールの施福寺にたどり着きます。
ダイヤモンドトレールを分割して日帰りするのも楽しい
トレイルを分割して美味しいところだけ味わおうという日帰りプランです。
日帰り分割プランは「セクションハイク」と呼ばれていて、トレイルの楽しみ方のひとつです。
日帰りといっても1日かけてしまうと、疲れすぎるし、家族の不満が溜まります。
私がゴルフをやめたのは、1日中遊んで帰った後の妻の目が怖かったからです。
私のセクションハイクは朝出て昼帰る、半日コースです。
車やバイクで山と山に挟まれた峠に駐車し、どちらかの山に登って、山頂でコーヒーを飲み、降りてくる。
デイキャンプと低山登山を組み合わせた最高の時間の使い方です。
日帰りダイヤモンドトレールの起点は「水越峠」でも駐車場は?
金剛山登山口の駐車場料金はだいたい600円です。まあまあな金額ですよね。
でも安心してください。金剛山にも大和葛城山にもダイトレコースで登れる水越峠には、なんと無料の駐車場があります。
およそ30台駐車可能で、きれいな駐車場です。
ただし、金剛山も大和葛城山も人気の山なので、できるだけ早く行かないと満車の可能性が高いです。
その他、もう少し上まで行くと10台程度の駐車スペースがありますが、ここはほぼ常に満車だと思った方がいいです。
日帰りトレイル|水越峠→大和葛城山頂→水越峠
屯鶴峯からのダイヤモンドトレールの場合、大和葛城山から山を下る道を逆に水越峠から登るコースになります。
比較的なだらかな坂道や木の階段が延々と続き、体力的にもかなり消耗するコースですが、途中の景色は目を見張るものがあります。
季節によって道々の花や緑も楽しめる素晴らしいトレッキングコースです。
大和葛城山の山頂はダイヤモンドトレールの中でも最も見晴らしがよく、そこで飲むコーヒーは最高です。
登りで1時間〜1時間半のコースタイムになります。
日帰りトレイル|水越峠→金剛山頂→水越峠
水越峠からダイヤモンドトレールの順路、金剛山を登るコースです。
登山道はさまざまな表情をもち、途中に「東屋(あずまや)」などもあり森を楽しむことができます。
山頂には葛城神社や茶店があり、軽食も食べられます。
こちらも登りで1時間〜1時間半のコースタイムになります。
山頂で少しゆっくりしたとしても往復で3時間ほどのトレッキングです。
ダイヤモンドトレールはまさに「ちょうどいい」トレッキングコース
最高峰で1,000mほどの高度であり、登山道の難易度、45kmという距離、2泊3日という行程、それら全てが「ちょうどいい」トレッキングコースがダイヤモンドトレールです。
途中に整備されたキャンプ場や宿泊施設が複数あり、いざという時には途中棄権もしやすい点もこのコースの人気になっているのではないでしょうか。
私は真冬に金剛山の8合目あたりで足を骨折したことがありますが、片足でなんとか駐車場まで戻ることができました。
事故があっても遭難せずになんとか帰れるのが1,000mという山の高さだと思います。
初心者のみなさんもぜひダイヤモンドトレールにトライしてみてください。
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